ファイナンス×テクノロジーで「フィンテック」等、テクノロジーと様々な分野の融合が急速に進んでおり、
最近ではエネルギー(電力)×テクノロジーで「エネテック」という言葉が普及し始めている。
今回はエネルギーとAIを組み合わせたエネテックの新規取組について纏めてみたい。
1.SMAP収益性分析による顧客の電力使用トレンドの高精査
日本のエネチェンジ社は、7月に買収したイギリスの電力管理ベンチャーSMAPエネジー社のデータ解析手法を用いて、
既存顧客の施設にあるスマートメーターから収集した電力使用データを解析し、顧客に対して収益性を維持しながらお得な電力プランを提供する。
他社より5%程安くできるとの記載もあり、他社との削減幅は未だそこまで大きく無いものの、
同技術で価格競争力が上がることが証明されれば、今後採用をする企業が急速に増えていくだろう。
2. AIによる発電所の故障予知
日本IBMは人口知能(AI)「ワトソン」を使って発電所の故障予知サービスに参画、天候と発電量の増減データ解析により発電所の部品の交換時期を予知する。
本サービス提供により、AIの予測があたる限り、適切な時期での部品交換(長く使える部品は長く使い、短期に交換必要なものは対応することで事故を防ぐ)により、
オペレーションコストの削減、事故の事前予防に繋がることでコスト削減を達成することができるもの。こういった故障予知・検知はAIの典型的な活用方法の一つ。
3. AIによる電力スポット市場の電力価格を予測
AIがスポット市場の電力価格を予測、日本気象協会がオンライン配信
日本気象協会は日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場を対象にAIによる価格予測サービスの提供を開始。
これにより、発電事業者は電力の市場調達コストの算出、また電力需要予測値に併せた最適な電力調達計画(=電力調達コスト削減)を作成し易くなる。
上記のAI×電力を使った新サービスは未だ導入が始まったばかり。
実際にどこまでコストメリットが出るのかは動向を要注視だが、ビッグデータとAIを活用したコスト削減サービス削減だけでなく、
各発電所の収入向上に向けたAI活用や、発電以外の送電・配電・電力トレーディング分野のAIを活用した新サービスの展開も今後考えていきたい。
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